2013年出版。
1960年代のノースカロライナ。両親を失った15歳のIvyは年老いていく祖母、そして精神的病いを持つ年上の姉、さらに幼い甥の3人のの面倒を見ながら小さなたばこ農場で働いていた。
一方、Janeという大学を出たての若い女性は念願だったソーシャルワーカーの仕事を得る。
そしてさっそくIvy一家の元へ派遣される。
やがて彼女はIvy一家にまつわる重大な秘密を知ってしまう。
そこから自己の倫理観とキャリア継続とのはざまで、想像だにしなかった精神的苦痛の日々が始まる。
といった内容なんだけど、いやー、面白かった~。
この作家さんの本を読むのは3年ぶりでこれが3冊目なんだけど、はずれがないとみていいのかな。
登場人物たちの人間ドラマに引き込まれて最後は少し泣けちゃったし。英語も全然難しくないし。
あと、内容はもちろんフィクションだけど、Eugenics(優性学) Programにおける強制不妊ってアメリカの歴史においても実際に消せない事実としてあるんだよね。ナチがやる以前にアメリカがそれをやっていたとはね。
たとえば貧しい人や、精神的な病を持つ人や有色人種だとかを国が勝手に不必要な遺伝子だと決めつけて不妊を強制するだなんて、考えただけでもぞっとする話。そして今、その被害を受けた方々が訴訟を起こしている。そんな事実があることも少し勉強になった。それらは著者のあとがきのところに書いてあった事だけれども。