Dreams from My Father: A Story of Race and Inheritance
(2008/08/21)
Barack Obama
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この本、買ってから1年近くたっちゃった。
2009年1月のオバマ大統領就任式のあと、ちまたで流行ったオバマ本を何でもいいからむしょうに読みたくなって、近くの本屋で英語版を購入。
でも実際に読み始めたのはついこの間だった。(汗)
この本はオバマ氏が大統領になるずっと前に書かれた自伝本。
実の父親は会った事のないケニア人(のちに一度だけ再会を果たす)、母親の再婚相手と暮らすため、幼少期に過ごしたインドネシアでの事や、その後思春期を過ごしたハワイでの生活、母親としばらく離れて祖父母と暮らしていたことや、決してありふれた子供時代を過ごしてきたわけではないオバマさん、本を読みながら、幼いころから本当に色々な事を感じ考えながら生きてきた人なんだなーと思った。
きっとそんな過程を通じて、彼の優れた洞察力が育まれていったんだろうと思う。
大学卒業後、シカゴの地域振興事業でオーガナイザーとして働いた当時の様子も書かれている。
まだまだ若い20代の若者だったにもかかわらず、そこでリーダーシップを発揮し、そして貧困層の人々が抱える問題に直面しながら色々な立場の人を理解できる能力や思慮深さまでにも磨きがかかっていったんじゃないかな。
この本の中では、オバマ氏がのちに自分のルーツを求め、実父の故郷であるケニアを初めて訪れた時の事が書かれている。
過去、一度しか会ったことのない今は亡き父親、そしてまたその父親(祖父にあたる人)の話を親族から聞かされるのだけれど、それは必ずしも聞いていて心地よい話ばかりではない。でもそのような事実の全てを受け入れることで、自分がここに存在する意義をつかもうとする青年オバマ氏の真摯な姿勢に心打たれる。
自分が何者かを知る旅。それは一人一人の人生そのものでもあるように思う。
きっとそのような経験を通じて、We can change の信条へたどりついたに違いない。
今さらながら改めて、このような人がアメリカの大統領になった事はとっても感動的だ。